高配当銘柄のリスクについて

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前回の初心者の方向けのお話で、投資信託の積立て投資をお勧めしました。

 

katsusandokatsu.hatenablog.com

 

 

今回は「投資=株」のイメージも強いと思いますので、個別株、

特に良くも悪くも話題の「高配当利回りの銘柄への投資について説明します。

 

なぜ今かというと、

本日7/29 高配当利回り銘柄のひとつで、

個人の投資家にも人気のキヤノンの株価が急落したからです。

このタイミングで

配当利回り銘柄への投資のリスクを解説したいと思います。

 

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Canon

なぜキヤノン株は急落したのか?

キヤノンは7/28の決算発表で、

2020年4~6月期の連結決算は最終損益が88億円の赤字

(前年同期は345億円の黒字)になると発表。

四半期の最終赤字は開示を始めた00年以降で初めてのこと。

業績悪化を受け、6月末の配当を33年ぶりに減らすことも発表しました。

これを受け、7/29の東京市場では-13.46%とキヤノン株が急落しました。

 

私も相場歴は長いほうですが、

東証1部の大型株がここまで売られる光景はあまり記憶にありません。

 

 

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配当利回りランキング

配当利回りの罠

こちらは東証1部の大型株の配当利回りランキングです。

株の雑誌とかでよく目にすると思います。

 

ここで基本的なことを説明します。

株式の収益はキャピタルゲインインカムゲインがあります。

キャピタルゲインは、

保有していた株の値段が上がることによって得られる収益のことです。

インカムゲインは、株主が企業から受け取る配当金の利益のことです。

 

例えば、ランキング1位のJT日本たばこ産業)は保有しているだけで、

年間8.13%の配当がもらえるという事です。

100万円の場合、81300円(税抜き)になります。

ちなみに銀行の普通預金金利は0.001%です。

 

これを見て、お得感だけで

資金のすべてをこれに投資するのは大変危険です。

初心者が陥りやすいリスキーな投資の一つです。

 

なぜかというとコロナによる企業業績の悪化で、

従来予測していた配当が減らされる可能性があるからです。

これを減配と言います。

減配することは、配当利回りも落ちるという事で、株価は普通下がります。

 

もう1例

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NISSAN

日産自動車は昨日、配当を0にすると(無配)発表しました。
元々他の要因(業績不振やゴーン氏の問題など)で株価は下がっていましたが、

さらに本日 -10.39%と急落しました。

 

この2社の急落を受け、

他の配当利回り銘柄も軒並み売られる結果となりました。

キヤノン・日産ショックです。

この影響もあり、

日経平均株価も前日比-260.77(-1.15%)の22,397円 となりました。

 

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JT

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ORIX

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SMBC

配当維持ができるのかは予測不能

上記の3社は個人投資家も必ずと言っていいほど取り入れる銘柄ですが、

配当利回りだけ見て投資するのは危険です。

今後減配の可能性もあるためです。

(もちろん配当維持する可能性もあります。予測不能です。)

配当は企業の利益から払われているので、その利益が減ったなら、

配当は減らすか、無しにするかの措置をとる企業が多いです。

特にコロナの終息が見えない状況になると、業績予測も不透明になります。

 

資金が多くあり長期目線で安くなったらどんどん買えるような方は結構ですが、

初心者で資金が限られている中で、含み損だけが増え、

売るに売れなくなる状況(塩漬けと言います)

になると資金効率も悪くなり、

ひたすら根拠なく株価が戻るのを祈るだけになります。

この場合、もっと下がることも多いです

 

最近のマーケットの特徴

「上がり続ける株は上がり続け、下がり続ける株は下がり続ける」のが

最近のマーケットの特徴と言えます。

AIやアルゴ取引が増え、

いったん方向性が出るとそちらに一気に向かうことが多くなっています。

その分ミスプライスが起こり、かなり安く買える場面も出てきます。

 

その会社の売り上げ状況や市場の状況などを常にウオッチし、

決算の動向を予測できるようになるまでは、

自分の持っている資金のほとんどを1社だけ、

もしくは同じセクターにだけ投資することは

やってはいけない投資だと思います。

 

雑誌や人の意見だけを目安に投資することは

やめたほうが良いと思います。

投資は自己責任と言いますが、自分で分析し、

ある程度判断できる状況になってから投資しましょう。

しかし、その会社をどうしても応援したいという理由であれば、構いません。

 

以上、今回は初心者が陥りやすい危険な投資について説明させていただきました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。  

 

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