失敗した取引<証券会社との付き合い方>
今回は色々な商品に投資する中で、失敗した取引のお話です。
商品はきのこで有名なホクトの転換社債(CB)です。
なぜ思ったような利益が上げられなかったかを検証します。
そしてこの経験から証券会社の店頭口座との考え方も書いていきます。
転換社債(CB)とは?
転換社債はCB(Convertible Bond)とも呼ばれています。
株式に転換することができる権利(新株予約権)がついた社債で、
株式に転換しない場合は、満期時に額面で償還されます。
少ないですが、所有期間中金利が付くものもあります。
今はゼロクーポン(金利無し)も多いです。
その銘柄の株価が落ちた時には債権の役割を、株価が堅調な時は株式に転換し利益を得ることができます。
また債券自体の値上がり益を得ることも可能です。
パリティーなどCBの専門用語も多くあるので、
興味のある方は勉強してみるのも良いですね。
なぜ購入したか?
この購入理由が失敗のすべての原因だと思っています。
理由はIPOを割り当てしてくれていた、
某大手証券会社 店頭口座の担当に勧められたからです。
ただそれだけで、安易な取引をしてしまいました。
この担当者曰く、「短期で10%のリターンか期待できる」との目論見でした。
購入資金は300万ほどで資金的には大きな金額ではなかったことも油断した理由かもしれません。
購入後の値動き
購入後、「短期で10%の利益」からは程遠く、
株価は低迷し債券価格は98.0くらいまで下げ、塩漬け状態となりました。
この間、担当からは何の連絡もなく、課長代理だった彼はまもなく退社したそうです。
その後も、新担当からも何のフォローもなく、時だけが過ぎていました。
なぜかと言うと、予想ですが、他の千万単位で取引している証券会社とは違い、その証券会社での所有商品はこのCBだけで、おそらく資金の少ないお客と判断されたのかもしれません。
彼らは手数料を取りたいだけなので、マイナスを抱えている客には声をかけてきません。
まあ、気持ちはわかりますが、この辺りは証券会社との付き合いを考えるきっかけとなりました。
売却へ→しかしこれが大変!
2020年7月から8月にホクトの株価は好決算を受けじりじりと上がり、
年初来高値を抜いてきました。
おそらく償還まで含み損かもと覚悟していた私は、
絶好の逃げ場でしかも利益確定できると思いました。
しかし、CBの売り注文を入れるには証券会社に電話して、オペレーターを通じ、本人確認のためフルネームと住所と生年月日を言ってから、指値注文を出さないといけませんでした。(所要時間10分弱もかかります)
ネットでは注文できなかったのです。
しかも注文の期限は最大1週間でしかありません。
毎週月曜日に、ほぼ同値撤退の指値注文を電話するしかありませんでした。
これは本当に苦痛でした。毎週のように名前を名乗って注文を入れることが嫌でした。ネットなら自分の意志で注文が出せ、訂正や取り消しもすぐにできます。
他にも問題があり、CBのリアルタイムの値段を見られるサイトがない
(20分ディレイのみ)ため、
リアルの板も見られないという完全に不利な取引でした。
また転換社債は流動性が低い(要は人気がない)ため、出来高も低く、
完全に株価と連動し上昇しません。
また正直言って電話を受けたオペレーターの方は素人並みの知識しかなく、
質問してもまともには返ってきませんでした。
そして株式に転換するのも書類を書き、
受理されてから数営業日もかかる事実も初めて知りました。
これが実態です。
とても令和2年の時代の取引ではなく、
おそらく昭和の株の売買方法と全く同じでした。
結果は?
なんとか少しの利益で売却できましたが、
なんと手数料は32000円ほど取られました・・・。
ネット証券であれば、300万の現物取引なら高くても1500円くらいでしょう。
現物取引手数料
取引金額 | 新手数料 |
---|---|
5万円まで | 55円(税込) |
10万円まで | 99円(税込) |
20万円まで | 115円(税込) |
50万円まで | 275円(税込) |
100万円まで | 535円(税込) |
150万円まで | 640円(税込) |
3,000万円まで | 1,013円(税込) |
3,000万円超 | 1,070円(税込) |
つまり、楽天証券1013-大手証券32000=̠▲30987円の手数料損です。
そして電話代も多くかかりました(笑)
すぐに株式転換できネットで売買できれば、
手数料を引いても10万円以上の利益が出ましたが、それが無理な状況でした。
完全に機会損失で時代遅れな取引です。
証券会社の店頭口座についての見解
この取引を受けての個人的感想ですが、
今後このネット時代に証券会社の店頭口座との付き合いはデメリットも多いと言わざるを得ません。
大手証券マンは的確なアドバイスや資金管理が出来る人もいますが、
それができない人も多くなっている印象があります。
なぜなら彼らは数千万円という資金を、
自分のお金で運用したことがないからです。
所詮他人のお金が多少減ろうと、何の痛みも感じないでしょう。
これは一部のFP(ファイナンシャルプランナー)や銀行員にも言えることです。
自分のお金が減っていく事の辛さを経験していない人は、投資の怖さを理解していません。
投資=自己責任であり、
他人の意見に大きく左右される取引はそもそも間違った取引かも知れません。
自分だけで投資判断したほうが諦めもつきやすいでしょう。
今は昔と違い、個人がネット証券でリアルタイムの株価と情報を享受でき、
素早く投資判断ができる時代になりました。
10億近くの大きな資金を持っている方は別ですが、
昔のように大手証券会社を頼りにする時代は終わりを告げたのかもしれません。
愚痴っぽくなってしまい、申し訳ありませんが、この失敗の経験を活かし、
よりよい取引をしていきたいとポジティブに考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。